直木賞受賞作「流」を読む!

直木賞受賞作品「流」を読みました。

台湾出身の東山彰良さんの作品で、1970年代の台湾が主な舞台。

近所の本屋さんでは売り切れ、少し遠出した本屋さんでラスト2冊でした。
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台湾と関わりのある本が人気というだけで嬉しくなる私です ♪(´ε` )

読んでみると、台湾の青春ミステリーという宣伝から私がイメージしたものとはちょっと違いました。戦後に中国から渡ってきた家族の話なので、むしろ舞台である台湾よりも中国が濃い印象です。

楽しみだったのが、70年代の台湾の描写。今でも治安が悪いと言われる萬華周辺の話とは言え、すごく危険地帯に描写されています(T_T) たしかに、龍山寺の付近はちょっと路地に入るとなんか怖い雰囲気もあったけど。

乾物で有名な迪化街や華西街とか知っている地名が出ると、臨場感が増してわくわく。
2013秋・冬 131
台湾らしい夜市の情景も出てきてやっぱり昔からそうだったんだ、とほっとしたり。戒厳令が1987年まで敷かれたそうだけれど、夜間外出禁止はなかったの?夜市はなぜ発達できたの?と変な点が気になっちゃいました (´・_・`)

印象に残ったこと

読後に一番印象に残ったのが、台湾の複雑さです。台湾を構成するのは、第二次世界大戦後に中国大陸から渡ってきた外省人とそれ以前から台湾に暮らす内省人、原住民の少数民族。戦争体験も、当時日本人として戦った内省人と原住民、中国大陸で日本と戦った外省人、と同じ台湾人と言っても正反対です。

今年は終戦70年ということで台湾も抗日70年関連の行事があるようですが、日本人として戦った方々は複雑ですよね。確かに国民党は日本と戦ったけど、台湾は当時日本だった訳で。どちらも事実だけど、国内で認識が全然違う。旅行ではなかなか意識できない、台湾の現実です。

今の平和な台湾しか知らないと意外ですが、実は民主化してからまだそんなに経っていないんですよね。一党独裁で言論の自由や選挙もなく、弾圧もあった。そんな大変な時代をこれまで出会った台湾の年配の方々は生きてきたんだ、と思うと複雑な気分になりました。

重い話ではありますが、今までとは違う視点を与えてくれる作品でした。

いつも読んでいただき、ありがとうございます。謝謝大家~♥
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